パナ圧勝も…ラグビー「トップL」は大学に育成頼りきり
予想通りの結果になった。
昨秋のワールドカップや2月開幕のスーパーラグビー参戦などの事情により、19季ぶりの社会人と大学生による一発勝負となった昨31日のラグビー日本選手権(秩父宮)。結果は合計7トライを奪って大学王者の帝京大を一蹴したパナソニックが、2季ぶり5回目(前身の三洋電機時代も含む)の日本一を達成した。
大学は87年に早大が東芝府中を下したのを最後に日本選手権での連敗を10に伸ばしたが、それも仕方ない。
トップリーグでプレーする選手は大卒ばかりで、技術に加えてフィジカルでも大学生を圧倒しているからだ。各チームとも、毎年、ラグビーの強豪大学から選手を補強し、今では高卒で採用するのはレアケースになっている。
これは裏を返せば、トップリーグの選手育成は大学頼りということだ。さるリーグ関係者によれば、ラグビーは選手寿命が短く、セカンドキャリアを考慮すると、日本を代表する企業であっても、高卒選手の採用を見送っているのが現状だという。実際にパナソニックのベンチ入りメンバー23人のうち、高卒は2人の外国人選手だけ。各チームとも部の運営予算は限られており、高卒選手を自前で育てるよりも戦力として計算できる大学生の補強を優先せざるを得ないのだ。