パティシエで頭角 元広島投手がスイーツ界で挑む“白星”

公開日: 更新日:

 店名は「2-3(ツースリー)Cafe」。投手にとって2-3のフルカウントは“後がない状況”だが、小林さんはあえて店名に選んだ。

「僕のように球威も制球もない投手は2-3の方が意外と抑えられるものなんです。打者や審判のストライクゾーンが広がるからです。それに人間って追い込まれると頑張るじゃないですか。その気持ちを忘れないようにしたい気持ちもあったので」

 オープンから5年。店は順調に売り上げを伸ばし、小林さんの手作りケーキを求めて遠方から求めに来る客やプロ野球選手も少なくない。

「カフェやスイーツ店は元プロ野球選手の店というだけで生き残れる世界ではない。味がすべて。野球の打者は3割ですごいですが、ケーキは10割の完璧さが必要。だからこそ、おいしいケーキ作りにこだわり続けたい」

 プロではわずか1勝に終わった小林さん。スイーツ界でさらなる白星を目指す。

▽こばやし・あつし 1972年東京都生まれ。拓殖大紅陵高から90年ドラフト5位で広島に入団。 95年に一軍初昇格し、同年7月の中日戦でプロ初勝利。00年オフに戦力外通告を受け、01年はロッテに移籍も1年で引退。プロ通算成績は59試合1勝1敗、防御率4.40。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…