“当落線上”が一転…中日・小笠原「開幕ローテ」濃厚の根拠
「今のチーム状態なら、大抜擢もあるかもね」
中日OBがこうつぶやいた。
中日のドラフト1位・小笠原慎之介(18=東海大相模)が昨13日の楽天戦に登板した。楽天オコエとの「ドラ1」対決を二飛に打ち取るなど1回無失点に抑えたが、2死から連続安打を許してピンチを招くなど、球威、キレ、制球ともにピリッとしなかった。
「次は走者を出さずゼロに抑えたい」と、前向きだった小笠原について、谷繁監督は「ストライクゾーンに投げられ、まとまっていた」と一定の評価を与えたものの、周囲は「開幕一軍の当落線上」とみている人間がほとんどだ。
小笠原は高校時代から左肘のネズミ(遊離軟骨)を抱えており、キャンプ当初から無理をさせなかった。ブルペン入りはキャンプ6日目、ここまで対外試合に登板した3試合はいずれも1イニングのみである。スロー調整だったことに加え、先日は母校の卒業式のために“中抜け”しており、明らかに調整は遅れている。しかし、前出のOBが言う。
「小笠原は開幕一軍入りしてもリリーフから、という流れだった。ただ、中日はこの日も敗れてオープン戦はわずか1勝の最下位に低迷している。なかでも不安なのは先発陣。大野、ネイラーは順調、若手の浜田達が好投を続けているが、ローテ入りが確実だった若松、山井が揃って不振。山井はこの日も6失点で2試合連続の大量失点ですから谷繁監督も不安のはず。このままではシーズンでも苦しい戦いを強いられる。一方でファン、マスコミはイキのいい若手の台頭を望んでいる。キャンプ中、報道陣は練習試合そっちのけでブルペン投球した小笠原に大挙した。『希望の星』だけに、谷繁監督もある程度は結果を度外視して開幕ローテに大抜擢するかもしれない。ファンもマスコミも多少のことでは文句は言わないだろう」
谷繁監督は先日、一軍メンバーの絞り込みについて「慎之介は(一軍に)入ってこようとするだろう。大いに目指してほしい」と言っている。ひょっとするかもしれない。