理事長選で完敗…貴乃花親方「最初で最後」の打算と誤算
■10年の理事選では37歳の若さで立候補
貴乃花親方の自宅は今年3月8日の時点で、極度額1億8000万円の根抵当権と計2億円の抵当権が設定されている。
さらに実父である先代貴ノ花から相続した中野の貴乃花部屋の土地建物の所有権も、08年に不動産総合商社に売却している。ある親方は「貴乃花親方は金銭的に楽ではないらしい」と言う。
さらに言えば、貴乃花親方は権力志向が強い。記憶に新しいのが10年の理事選だ。当時、貴乃花親方は37歳という若さで、所属していた二所ノ関一門から理事候補選に出馬した。周囲は「一門の慣例というものもある。君は黙っていても将来的に理事になれる。焦る必要はない」とブレーキを踏んだが、聞く耳を持たず立候補。理事に当選したとはいえ、その結果として一門を追われた。
貴乃花親方は北の湖前理事長を「オヤジ」と慕った。その「オヤジ」が昨年11月場所中に急死。多くの親方衆が八角理事長代行を後釜に推す中、「後継者はオレだ」という野心が再び鎌首をもたげたのだろう。