夏は絶対甲子園に…横浜高校に2年ぶり“指導復帰”の理由
私の古巣・横浜高が今週行われた春季関東大会で準優勝に終わった。投手はドラフト上位候補右腕・藤平と、この春エースナンバーを背負った左腕・石川の2枚看板。打線もまずまず強力でチーム力は高い。準優勝で良かったとも思う。春、関東王者になると、夏へ向けて油断が生じる。高校生にはこれが厄介なのだ。
平田監督と金子部長に依頼され、久しぶりに横浜の練習を見ることになった。金子部長によれば、内野の連係面などで気になる点があるという。現チームは神奈川を秋、春と連覇している。チームを引き締めたい思惑もあるのだろう。
横浜は4季、甲子園から遠ざかっている。私が在籍していた頃は、2季逃しても3季目にはだいたい出場していた感覚がある。神奈川は日本一の激戦区とはいえ、5季以上空白の期間があってはならない。有望な中学生から敬遠されてしまうからだ。藤平らをスカウトした“敏腕”金子部長は相当な危機感を感じているようだ。中学生と直接接する立場。肌で感じることがあるのだろう。
かつての横浜は態度が悪い、といってはなんだが、“やんちゃ”な生徒が多かった。渡辺前監督が時代に合わせ、上下関係を撤廃するなどしたおかげで、今や優等生ばかり。23年間の指導で感じたことは、野球の質は上がっても勝負に弱い選手が増えたということ。近年は甲子園に行っても勝ち切れない。勝てる試合を取りこぼすことが多い。度胸が据わっていた昔の選手の方が、その点では優れていた。