大学野球の常識覆した 中京学院大は“バイト推奨”で全国V
■「バイトがあるんで失礼します」
寮はない。専用グラウンドすらない。中津川市内の球場を転々とする日々。当然、練習時間も限られる。
「最初に見た時は衝撃でした。ある日の練習は、選手が好き勝手に打って『じゃ、バイトがあるんで失礼します』とおのおのがあがっていく。間借りしているグラウンドだから、練習はだいたい午後6時には終わっています」(プロ球団スカウト)
シーズンオフを中心にアルバイトが許可されている。他の強豪大学では考えられないことだ。
「大学野球は金がかかる。寮に入ってやると学費を含めれば年間100万円は優に超える。それでも、アルバイト禁止という大学がほとんど。中京学院大は逆に推奨している。生活費、遠征費、道具代など、家計を助けながら野球を続けられる。広島の菊池だって大学時代はバイトをしながら仕送りなしで頑張っていたんです」(前出の中京学院大関係者)
雑草軍団が「自主性」で勝ち取った日本一。恵まれない環境と思うか、アルバイトをしながら野球が続けられると思うか――。まさに大学野球の常識をブチ壊す日本一である。