本命ジョコ消え…錦織に「全英勝てるかも」の落とし穴
ウィンブルドン男子シングルス4回戦に駒を進めた錦織圭(26)。ここまでの状況は準優勝した14年の全米オープンのときと似ている。
14年の全米は右足親指の手術明け。本人も周囲もまったく期待していなかったのに、あれよあれよと勝ち進んで決勝進出。大騒ぎになったら、格下のチリッチ(クロアチア)にストレート負けした。
今回はもともと不得意な芝に加え、左脇腹痛を抱えたまま臨んだ。本人も「痛みとの戦いだ」とか「故障がある分、目の前の目標に集中できている」などと珍しく痛みを強調。勝てば儲けものみたいな戦いが続いているうちに、この日の3回戦では世界ランク1位のジョコビッチ(セルビア)が同41位のクエリー(米国)にまさかの敗戦。グランドスラムの連勝は30でストップし、実力が飛び抜けていた「本命」が消えた。
4回戦の相手は同13位のチリッチ。順調なら次から同7位のラオニッチ(スイス)、同3位のフェデラー(スイス)、同2位のマリー(英国)という流れだが、問題は本人や陣営が「勝てるかもしれない」と変な色気をもったときではないか。
2年前の全米で格下のチリッチに敗れた原因のひとつは本人や周囲の意識過剰。本人は普段通りのテニスができなかったし、周囲もさせられなかったともっぱらだからだ。変な欲が出なければよいのだが。