巨人2年連続V逸 敗因と今後の暗黒時代をOB2人が多角解説
■代走のスペシャリストに「走るな」
現場では原前監督からバトンを受けた高橋由伸監督(41)の目指す野球も見えなかった。前出の高橋氏が続ける。
「オーソドックスといえば聞こえはいいが、何もしていないようにも映った。特に貧打にあえいでいた前半戦、ベンチはほとんど動かずに選手任せの野球に終始した。そして、主砲の阿部が復帰して4番に座った夏場に勝ち始めた。要するに、主力が打てば勝つし、打たなきゃ負ける。これでは監督がいる意味がない。打てない時に何をするかが監督の仕事ですから」
代走のスペシャリストの鈴木がなぜかスタートを切らなかったのも、巨人ベンチで話題になったという。今でこそ、その数は「8」だが、7月に入る頃までわずか2盗塁。自由に走っていいという「グリーンライト」が出ている鈴木によると、「走れ」どころか、「走るな」のサインが出ることが度々あったというのだ。この時、高橋監督が出したサインは、送りバントだったり、そのまま強行させて併殺打に終わったこともある。巨人の某中堅選手は「監督1年目ということもあってリスクを冒したくなかったんでしょう。でも尚広さんを代走で出しておいて、送りバントはずっこけますよ。みんな『尚広さんは何で走らないんだろう』ってベンチでヤキモキしていました」と証言。高橋氏がこう憤慨する。