資金源は莫大な放映権料 日本ツアーは“米国の改革”に学べ
■放映権を持たない日本ツアー
プレーオフを行うようになって何が変わったのか。米ツアー事情に詳しいゴルフライターの吉川英三郎氏がこう言う。
「ボーナスが支払われるのは年間王者だけではありません。総額35億円からポイント1位に10億円、2位に3億円、3位に2億円、4位には1億5000万円、5位には1億円と、125位の700万円までシード選手全員に賞金以外のボーナスが支払われるだけにプレーオフは盛り上がります」
そんな潤沢な資金源は放映権料だ。米ツアーは4大メジャーやライダーカップを主催していないが、プレーヤーズ選手権、ツアー選手権に加え、プレーオフの人気3試合ができたことでテレビ局との交渉を優位に進められるようになった。
「11年にCBS、NBCと9年契約を結び、150億円から200億円近いカネを集めることに成功したとみられています。同時にBMWやドイツ銀行などの海外の有力スポンサーを引っ張ってきた。そして放映権料で得たバク大な資金を試合賞金の一部に充てているのです。賞金総額8億円なら5億円近くをツアーが補填し、スポンサーは3億円強を支払います。つまり、スポンサーにはお得感があって、同時にツアー側は試合を充実させるメリットがあるのです」(前出の吉川氏)
スポンサーとテレビ局の言いなりで、放映権を持たない日本ツアーには夢のような話だ。
ダラダラと歯の抜けたような日程で日本の男子ツアーは行われているが、米ツアーを見習って改革に乗り出すべきだろう。