トップ10入れぬ男子ジャンプ陣 平昌五輪“個人ゼロ”危機
男子ジャンプ陣の低空飛行が続いている。
ノルディックスキー・ジャンプのW杯で4人の日本代表が結果を残せていないのだ。先週26位に終わったエース葛西紀明(44)を筆頭に、日本勢は開幕から2大会(計4戦)続けてトップ10にすら入っていない。
開幕から2連勝で、歴代2位のマッチ・ニッカネン(フィンランド)に並ぶ、W杯通算46勝をマークした高梨沙羅(20)、2戦連続2位に入った伊藤有希(22)の女子2人が好スタートを切っただけに、男子の低迷ぶりがなおさら際立っている。
葛西は開幕からの4戦を振り返って「アプローチの滑りを安定させれば、いいジャンプができると思う。焦らずやりたい」と話すが、悠長に構えていられない。今季と来季の結果は18年平昌五輪出場に関わるからだ。
平昌五輪の男子の出場枠は前回ソチから5人減って65人。今季と来季のW杯総合ランキング上位選手に与えられる。開幕間もないとはいえ、今季のランキングでは33ポイント(P)の伊東大貴(30)が日本勢トップで19位、葛西が25Pで20位、竹内択(29)が24Pで22位。220Pでトップを独走するドーメン・プレブツ(17)ら上位陣に大きく引き離されている。今後は年末年始に行われる伝統のジャンプ週間に向けて海外勢が続々と参戦する見込み。このまま不調が長引けば、ランキングは下がり続け、来季は厳しい巻き返しを強いられる。
海外の選手の間では、「日本は個人で平昌の滑走路にすら立てないのではないか?」とささやかれているが、現実になりかねない。