昨季10失策の浅村も覚醒 辻改革で西武“堅守”復活の兆し
101――。これ、昨季の西武の失策数である。もちろん、12球団ワースト。15年の91失策と併せて、2年連続リーグ最多という不名誉な記録を残した。
そんな西武に今季、変化が見られる。まだ、始まったばかりとはいえ、開幕から8試合の失策数は12球団最少の2。チーム防御率2.54もトップで、投手を含めたディフェンス力に改善の兆しが表れているのだ。
「監督が代わって守備に対する意識も変わった」と、昨年、二塁で10個のエラーを記録した浅村栄斗(26)が続ける。
「練習の中で守備に割く時間が長くなりました。監督がゴールデングラブ賞を何度も取っている方なので、足の運び方やボールに入る姿勢を教えてもらっています。すごく基本的なことですけど、あらためてそこへの意識を持っていくことが大事だなと。後輩、特にソウ(ドラフト3位新人の源田壮亮)が落ち着いて守備をしているのも良い刺激だし、負けられないという危機感もある」
今季から就任した辻発彦監督(58)の就任がやはり大きいようだ。辻監督は西武での現役時代、ゴールデングラブ賞を7年連続、計8度受賞した名手。当時の西武は「堅守」として知られ、辻監督在籍の12年間でリーグ最少失策を記録すること8度。91年のチーム守備率.992(130試合で38失策)というプロ野球記録はいまだに破られていない。その12年間でリーグ優勝9回、日本一6回。鉄壁の守備力の中心にいた辻監督が古巣に戻って、キャンプから取り組んだのが、守備に対する意識改革だった。