ボロボロ稀勢の里は眼中なし モンゴル勢が復権へ一気呵成
11日の大相撲7月場所3日目、結びの一番で座布団が舞った。
横綱稀勢の里(31)が、また負けた。立ち合いで左差しを狙うも、右脇を固める栃ノ心に歯が立たない。それどころか、あっさりと右前まわし、左上手を取られ、最後まで何もさせてもらえず、寄り切られた。
これで3日連続、得意の左を使えていない稀勢の里。いくら主治医や兄弟子の西岩親方(元関脇若の里)が「ケガは完治している」と言ったところで、このありさまではまたぞろ休場が話題になるのも時間の問題だろう。
そんな和製横綱の体たらくにほくそ笑んでいるのが、モンゴル勢だ。ただでさえ、稀勢の里が横綱に、高安が大関に昇進したことで、存在感が凋落。先場所は白鵬(32)が全勝優勝しながら、角界は新大関高安の話題で持ちきりだった。
しかし、人気の稀勢の里が先細りの危機となれば、復権のチャンス。この日の白鵬の取組に、そんな主役奪回の野心が見て取れた。立ち合いで前頭筆頭の正代(25)に強烈な右の張り手を浴びせるや、迫力満点の一発KO。ぐらりともたれかかる正代を突き落とし、3連勝となった。正代は「自分に何が起こったんですか」と報道陣に聞いたように、この一撃で脳振とうを起こしていたようだ。