マッチプレー4強進出の片山を悩ますグリーン上での“持病”
【ISSPハンダ マッチプレー選手権】
ツアー30勝の片山晋呉(44)が準々決勝で塚田陽亮(32)を6&4で下して4強入りを決めた。前日4回戦は宋永漢(26)と27ホールもの長丁場だったが、この日(8日)は4ホール残して早く決着がついた。
「負けると思ったけど、逆にこんなに早く勝てるとはね。(マッチプレーは)相手との勝負。相手次第で打ち方や戦略、クラブが替わることもある。(ハーフターン後の10番で)3アップになってからは相手に取られないように、ボギーを打たないように考えた」(片山)
練習オタク、用具オタクとも呼ばれる片山のゴルフ理論は奥が深く、スイングを語らせたらいつまでも止まらないことで有名だ。それがマッチプレーで奏功している。
よく知る関係者がこう言う。
「ゴルフは自然との闘いといわれるが、マッチプレーは相手のやる気をそぐ闘いになる。片山はラフよりバンカー、下り1メートルより上り3メートルのパットと、ホール攻略の視野が広い。ボール飛距離が出なくても、セカンドオナーなら先に勝負のカードが切れる。後から打つほうは精神的に疲れる。そんな試合運びがうまい。ただショットでは誰にも負けないが、弱点はパター。本人も左手が言うことを聞かないとこぼしている。負けるとしたらパットでしょう」
本大会最年長の片山。今季獲得賞金は535万円あまり(ランク70位)と冴えないが、ツアー最高優勝賞金5000万円を手にするには、グリーン上で左手に電気が走らないことがカギになる。