村上茉愛を14年指導 池谷幸雄氏が見ていた“苦悩と変身”

公開日: 更新日:

 日本女子初の快挙となった。カナダの体操世界選手権で8日(日本時間9日)、村上茉愛(21=日体大)が床運動で優勝。日本勢の金メダルは1954年ローマ大会の田中敬子(平均台)以来63年ぶり2人目で、床運動での世界一は史上初となった。

「63年ぶりに取れたのが私でよかった」と喜んだ村上は、ロンドン五輪前年の11年に左ヒジを手術。15年のグラスゴー大会では個人総合6位と、長らく「無冠」だった。

 88年ソウルの団体総合と床で銅、92年バルセロナの団体で銅、床で銀を獲得した池谷幸雄氏(47)は、4歳から18歳まで村上を指導。池谷氏は「村上はリオ前の世界選手権の予選で代表を落ちた頃から大きく変わった」と言ってこう続ける。

「結果的には推薦枠で代表に選ばれましたが、その頃から自分に対して厳しくなったのが分かりました。技の精度は上がり、簡単な失敗をしなくなった。そこから演技の安定性が増しましたね」

 女子体操選手のピークといわれる年齢は10代半ばまで。体操界には「17歳限界説」もあるほど。25歳でロンドン五輪に出場した田中理恵(30)は周囲から「ベテラン」と呼ばれていた。ピークが10代半ばとなる要因のひとつは、女性は17歳前後から脂肪をためやすい体になり、手足にかかる負荷が増すためだ。では、なぜ村上は21歳でキャリアハイを迎えたのか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…