17年ドラフトで損した球団は…“流しのブルペン捕手”診断
今年のドラフトで最も得した球団は、オリックスでしょう。能力が高い即戦力と、将来性のある選手を、バランスよく指名した印象です。
1位は西武との競合で左腕の田嶋大樹(21=JR東日本)の指名に成功、2位の右腕・鈴木康平(23=日立製作所)と揃って来季1年目から先発ローテに入ってくるでしょう。
田嶋は今のプロにあまりいないタイプの投手。肩甲骨回りの可動域が広く、腕が遅れて出てくるのが特徴です。右打者の胸元にクロスファイアで入ってくるストレートは、分かっていても簡単には打てないはず。石川(ヤクルト)の体を大きくした感じでしょうか。カーブを投げる時に腕が緩みがちになるなど課題はありますが、今年の都市対抗では3試合連続で先発、2試合で完封勝利を挙げるなど、大舞台で結果を残した経験はプロで生きるはずです。
2位の鈴木は186センチ、88キロの恵まれた体を持ち、ハマった時は手も足も出ない投球をする。広島の薮田のように化ける可能性もあります。
将来性でいえば、4位の本田仁海(星槎国際湘南)、6位の西浦颯大(明徳義塾)の2人も面白い。本田は10月下旬にボールを受けました。中日が2位指名した石川翔(青藍泰斗)と同等の球威があります。西浦は今夏の予選が低調で評価を落としたのでしょうが、足と肩は抜群にいい。将来の1、2番として坂口(ヤクルト)のような選手になる可能性がある。