17年ドラフトで損した球団は…“流しのブルペン捕手”診断
■5年先が見えない
一方、戦略に疑問を感じたのは巨人です。
1位で野手と捕手の清宮(早実)、村上(九州学院)を外して鍬原拓也(中大)。
私なら外れ1位で村上でなく、中日が外れ1位で指名した鈴木博志(ヤマハ)を推薦します。彼は巨人懸案の抑えを任せられる逸材です。
2位で岸田行倫(大阪ガス)、3位で大城卓三(NTT西日本)と捕手を続けて指名しました。岸田の打力を買い、過去に経験のある遊撃などで起用するプランがあるのかもしれません。重要な上位2枠を同じ捕手で使い、互いを競争させてどちらかがモノになればいいという考えでは、いかにも志が低い。ウチは見る目がないと言っているようなものです。
4位・北村拓己(亜大)、5位・田中俊太(日立製作所)、6位・若林晃弘(JX―ENEOS)では3人の内野手を指名しました。それぞれ実績はありますが、巨人のレギュラーを取れるかといえば、少々物足りないかもしれません。
ちなみに投手の指名は1人のみ。こういう年をつくると、投手の年齢構成にひずみが出やすい。巨人は村田修一を自由契約にするなど、とくに野手陣の若返りを図りたい方針は理解できても、その結果、5年先の巨人が見えづらいドラフトになった気がします。
(安倍昌彦/スポーツライター)