巨人は過去に3度…野上の人的補償で元FA選手放出の可能性
巨人には3度、“過去”がある。
2005年オフの江藤智(現巨人三軍監督)、06年オフの工藤公康(現ソフトバンク監督)、11年オフの藤井秀悟(現巨人打撃投手)の例がそれで、三顧の礼を尽くして迎えたFA選手を、新たに獲得したFA選手の人的補償で他球団に放出する。江藤は豊田清、工藤は門倉健、藤井は村田修一の代わりに、西武と横浜へそれぞれ移籍した。チーム周辺では今、4人目の“被害者”が出るかもしれない、ともっぱらだ。
このオフ、巨人は西武からFAになった野上亮磨(30)を獲得。野上は「Bランク」で、金銭及び人的補償が生じる。西武の鈴木球団本部長は11日、巨人から28人のプロテクト選手名簿を受け取ったことを明らかにしたが、巨人OBはこう予測するのだ。
「西武は捕手を含めた野手の駒は揃っていて、辻監督も『補強は投手で』と言っているそうだ。当然、巨人はそうした西武のチーム事情を勘案し、投手のプロテクトを厚めにするなど、人的補償の出血を最小限に食い止めるリストを提出しただろうとは思う。ただ、それにも限界がある。過去の例を見ても、生え抜きの功労者に関しては、仮に相手球団が興味を示さないことが予想できても、万が一のことを懸念してプロテクトしてきた。若手の流出は避けたいだろうし、そう考えると大竹あたりはボーダーライン上にいるだろう。巨人入団4年で2ケタ勝利が1度もなく、今季は4勝4敗。ベンチの使い方を見ても、それほど信頼されていないことは本人も分かっているだろうから」