伊調より金量産 パワハラ問題で露見したスポーツ界の暗部

公開日: 更新日:

「女王」の身を案じる一方で、このトラブルを「ビッグチャンス」と捉えている者もいるようだ。これまで国際試合の組み合わせ抽選では、伊調や五輪3連覇の吉田沙保里(35)と同じ「山」に入った海外勢は、戦う前から勝利を諦めていた。難敵の伊調が東京五輪を前に引退するとなれば、マットに沈められてきたライバルたちにもメダルの可能性が出てくるからだ。

 週刊文春の記事で明らかになった今回のパワハラ問題は、ひとまず外部の手に委ねられることになったわけだが、告発状には栄強化本部長によるパワハラや嫌がらせが詳細に記されている。栄氏と協会はその内容を全否定しているものの、レスリング関係者の証言などから判断すると、栄本部長は限りなく「クロ」に近い。第三者委員会の報告、倫理委員会の結論により、今回の騒動はパワハラを受けたとされる伊調側に軍配が上がるのは必至とみられるが、「必ずしもそうはならないだろう」と見る向きもある。

■複数金メダル確実で……

 過去4大会の五輪で金11個を獲得した女子レスリングは、東京五輪でも、柔道水泳と並んでメダル量産が期待される競技だ。協会も全階級での金メダル獲得を目標に掲げており、現時点で金が有力視されているのは、50キロ級の登坂絵莉(24)、55キロ級の向田真優(20)、62キロ級の川井梨紗子(23)、68キロ級の土性沙羅(23)の4人。彼女たちはいずれも至学館大学(前・中京女子大学)の監督でもある栄本部長の教え子だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動