伊調より金量産 パワハラ問題で露見したスポーツ界の暗部
■スポーツ界に潜む“いやらしさ”
今回の問題を注視しているスポーツライターの工藤健策氏は、そんなレスリング界のあり方に警鐘を鳴らす。
「伊調に対する栄氏の嫌がらせが本当なら、日本人の最も嫌いな指導者ということになる。国民は日本のスポーツに、ひたむきな努力や潔さ、健全性を求め、常に正々堂々と戦って欲しいという思いが強い。平昌五輪のスピードスケートで金メダルを取った小平選手や高木姉妹に感動したのは、それぞれ苦労や葛藤のドラマがあったからでしょう。日本は今、東京五輪へ向けて多額の税金をつぎ込み、各競技団体はメダル取りへまっしぐらです。選手や指導者もその波の中で、冷静さを失いつつある。栄氏のパワハラ問題がかなり具体的に報じられても、まるで何もなかったかのような本人や協会のコメントには、東京五輪を前にしてスポーツ界に潜む醜さ、いやらしさを感じますね」
国会は今、森友問題を巡る財務省の決裁文書改ざん疑惑で大荒れだ。自分たちの都合のいいように公文書を改ざんしたとすれば、「とんでもない」どころの話では済まされない。安倍首相にベッタリの元TBS記者の準強姦“逮捕もみ消し”疑惑も、国民は忘れてはいない。