6年ぶりにイチロー再獲得 古巣マリナーズのしたたか商法
■認知度下がった日本へのアピール
では、その「利益」とは何なのか。
マリナーズは近年、観客動員数が伸び悩んでいる。イチローが入団して優勝した01年以来、プレーオフ進出すら果たせていない。チームの低迷もあり、観客動員はピークだった02年の354万人から、12年には半分以下の170万人台に落ち込んだ。昨年は213万人に盛り返したものの、苦戦しているのは事実。マリナーズで数々の記録を打ち立てたレジェンドの復帰はシアトルの地元紙のアンケートでも過半数が好意的に見ており、集客効果が期待される。
「日本向けの戦略もあるのでしょう」とは、米球界関係者。
「マリナーズは岩隈久志を抱えているとはいえ、イチローが12年にヤンキースに移籍し、筆頭株主の任天堂が16年に経営から事実上の撤退をしたこともあり、日本での認知度は下がっていた。イチローの復帰によって、これからはマリナーズの名前が日本で再び報じられます」
日本ハムが16年からパドレス、ダイヤモンドバックスの施設でキャンプを行っているように、マリナーズも日本球団のキャンプ招致を検討しているという。