昨季覇者のアストロズGMが重視するのは「出塁率+長打率」
「野球は点取りゲームです。いかに相手よりも点を多く取るかが勝敗に直接結びつくのです」とルーノウは話す。
何より点を取ることが大事。つまり5点取られても、6点取れば勝てるということだ。
ワールドチャンピオンになった昨17年のアストロズのチーム成績を見れば、この考えがしっかりと浸透していたことがわかる。この年のチームのOPSは.823でメジャートップ。その結果としてのチームの総得点も896でメジャートップだった。
とはいえ、長打狙いで選手がブンブン振り回してばかりかといえば、そうではない。この年の三振の総数は1087。これはメジャー30球団中、最少だ。トップのダイヤモンドバックスの1456と比べると、400個近く少ない。
メジャーにおけるデータ野球のはしりは、アスレチックスの「マネーボール」だ。GMのビリー・ビーンは低予算でチームを運営しながら、アスレチックスをプレーオフ常連の強豪にした。選手の体形やフォームなどを度外視し、出塁率などのデータを基にドラフトやトレード、FAを敢行。スカウトのカンや主観を排除したチームづくりは当時、画期的だった。