バド選手移籍めぐり紛糾…実業団スポーツの悪しき“足かせ”
人権問題と言っても過言ではない。昨年のバドミントン世界選手権女子ダブルス銀メダルの福島由紀(24)、広田彩花(23)組の2人が今月末をもって再春館製薬所(以下、再春館)を退社する意思を固め、既に辞表を提出。今後は、日本リーグ所属のクラブチーム、岐阜トリッキーパンダースに移籍する予定だったが、24日のスポーツ紙には「再春館は移籍を認めない方針」と報じられた。
日本実業団連盟の取り決めでは、前所属先の移籍承認が得られない場合は、国内の団体戦に2年間出場できない。再春館は同日、移籍を認めないとの報道について「そのような発表はしておりません」と否定したものの、選手の移籍に「足かせ」があることに批判の声は少なくない。
■日本マラソン低迷の元凶にも
選手を縛る「決まり」があるのはバドミントンだけではない。実業団の陸上選手も、所属チームの部長と監督の連名による退部証明書がなければ移籍できない。箱根駅伝で史上6校目の4連覇を果たした青学大の原晋監督(51)は、「選手が自分に適した環境、よい監督の指導を受けたいという時にハンコを押さない監督が多い。選手の現役生活は短い。アスリートファーストで考えるべき」というのが持論だ。