3連敗阻止のサヨナラ打 西武・木村文紀は元“泣き虫投手”
起死回生の一発がバックスクリーンに飛び込んだ。
楽天に2連敗中の西武は1日も苦戦。最大4点あったリードは、終盤に追いつかれた。7―7で迎えた九回裏も2死走者なし。延長かと思われたが、八回から守備固めで右翼に入っていた木村文紀(29)のバットが一閃。サヨナラソロ弾で3連敗を免れた。
「(手応えは)完璧です。今でも手が震えています」
お立ち台でこう話した木村は、2006年高校生ドラフト1巡目で埼玉栄から入団したご当地選手。当初は投手だったが、12年に打者に転向し、14年には10本塁打を打っている。
「入団当時、身体能力にほれ込んだ渡辺二軍監督(現SD)がゾッコンだった。オリックスとCS争いをしていた11年は、実力不足にもかかわらずベンチ入り。渡辺監督は『キム(木村の愛称)にとって、いい経験になる』と話していたが、ナインは『一軍登録枠の無駄遣い』とシラケていた。投手時代は試合後のミーティングでコーチに叱られ、その場で泣き出すなどメンタルのもろさもあった。身体能力は阪神の糸井に匹敵するほど。打者転向後は主に守備面での貢献度が高い」(球団OB)
もっか打率・286と、今季はバットも好調。縁の下でチームの首位キープを支えている。