OB山崎氏は懐疑的 “打高投低”西武が狙う史上2度目の珍記録
名誉と言うべきか、不名誉と言うべきか。
開幕ダッシュに成功した西武は、4日現在も2位日本ハムに2ゲーム差をつけ、首位をキープしている。数字を見ると、打高投低が顕著だ。チーム打率276.88盗塁はリーグトップ。86本塁打は同2位と、破壊力は抜群。その一方で、リリーフ陣が弱い投手陣はボロボロで、チーム防御率4.36はリーグワースト。2001年に優勝した近鉄(現オリックス)を彷彿させるチームとなっている。
当時の近鉄は本塁打王の3番ローズ、打点王の4番中村の2人で101本塁打、263打点を叩き出した。「いてまえ打線」と呼ばれた猛打はライバル球団に恐れられ、チーム打率は.280を誇った。しかし、同防御率は4.98と、投手が5点取られても6点取って勝つようなチームだった。今季の西武もこのまま優勝できるのか。
評論家の山崎裕之氏は「打高投低は似ていても、時代が違えば野球も異なる」と、こう続ける。
「当時のパは全体的に打力が優れていた。01年は近鉄が211本塁打でトップだが、2位はダイエー(現ソフトバンク)の203本。最少のロッテでさえ133本を打っている。昨季のパの成績を見ると、最多はソフトバンクの164本。3球団は01年のロッテより本塁打が少なかった。当然、防御率にも違いが出てくる。今の野球はリリーフと抑え次第と言っても過言ではない。そこが崩壊している西武が、このまま突っ走れるとは思えません」