「お客さんが死なないか心配」 錦織圭も憂える東京五輪
フラフラになりながら辛勝したノバク・ジョコビッチも、酷暑ルールの適用を受けたひとりだ。
「休憩中に2人ともアイスバスに入った。1分45秒くらい。同じ風呂にじゃないよ。2つ並べられてあるんだ(笑い)」
冗談を言う顔も弱々しい。試合が遅れたことで悪条件から逃れた錦織はニンマリだ。
「いや、ラッキーでしたね。夜と昼では温度が全然違いますから。昼間は外に出ただけで、フロリダの夏のようだった。どんなルールを作っても天気は無理ですよ。中断すればリズムが崩れるし。全部インドアにして冷房でも効かせないと。勝っていながらやめた選手もいて、気の毒でした」
この暑さはしばらく続くとかで先行きに不安は残るが、錦織が心配したのはむしろ2年後の東京オリンピックだ。
大会期間になる7月末から8月上旬の東京が、これ以上の高温、高湿度になるのは火を見るより明らか。
「(東京の暑さは)一番怖いですね。テニスだけでなく、マラソンとか連続運動の選手がどうなるのか。それにしても、ぼくたちは体を鍛えていますから耐えられるけれど、楽しみに見にきてくれるお客さんは知識もなく、体力もない。お客さんが死んじゃうんじゃないかと心配になります」
1回戦で9人の棄権者は選手にとって重い現実だ。それでも都知事はアスリートファーストだとか、冷たいオシボリでおもてなしなどと言うのだろうか。気が知れない。