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安倍昌彦スポーツライター

1955年、宮城県生まれ。早大卒。アマ時代に捕手としてプレーした経験を生かし、ドラフト候補のボールを実際に受けて取材するスタイルを確立。通称「流しのブルペン捕手」。自身が責任編集を務める雑誌「野球人」を始め、著書、寄稿は多数。

辰己涼介(外野手・立命大)“猛肩”はプロでもナンバーワン

公開日: 更新日:

 社会人野球の強豪・大阪ガスに近本光司という外野手がいる。小柄だが快足とパンチ力が光る外野手で、関西学院大を出て2年目の今季、都市対抗野球で快打連発、敏しょうな守備力を発揮してチームの優勝に大貢献。<MVP>を意味する「橋戸賞」を受賞して、今秋ドラフトで上位候補に挙げられている。

 そんな近本選手が、兵庫・社高で2年後輩の辰己選手をこんなふうに表現した。

「辰己ですか?……まったく意識してませんね。ボクなんかとは、まったく次元の違う選手になってしまいましたから」

 確かに、今年のドラフトの外野手ナンバーワンであることは、多くの人が認めるところだろう。

 特に、肩だ。プロにも、平田(中日)、鈴木(広島)、秋山(西武)……強肩外野手は何人もいるが、しかしどうだろう、今すぐプロに入っても、辰己の肩がナンバーワンではないか。

 辰己がセンターからダイレクトでバックホームした低い返球が、ミットを下に向けて捕球しようとした捕手の手首に当たったのを見たことがある。そりゃあ、とんでもない「猛肩」をしている。

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