アマ競技で多発する不祥事 機能不全のJOCに解決できるのか
「体操で問題となった『2020特別強化プロジェクト』も、塚原夫妻を筆頭とした体操協会に全部任せた状態で、詳細が明確でないまま進んでいた。本来なら、JOCが東京五輪に向けた根本的な方針や具体的な対策を出してから各団体に任せるべきです。今の強化本部は専門的な競技力の向上に関してはバラバラで、まったく機能していない。偏ったコーチング方針を続ける競技もあって、戦略的な策を講じていないところも多いのです。JOCはメダルの目標数ばかり口にしますが、『競技力向上』を“富国強兵”だと意味を取り違えている」
■「人間力」偏れば弱体化の恐れも
JOC強化本部のスローガンは「人間力なくして競技力向上なし」。これまでは「競技力」を第一に記載していたが、不祥事多発を受けて「人間力」を一番上に記載し、競技力と並列させたという。
「バスケットボール選手の買春騒動があったので、倫理的な問題を取り上げたのでしょうが、選手強化の本質的な部分ではない。どういう戦略を取って競技力を上げていくかが大事であって、大義名分を取り繕うための漠然とした言葉だけでは意味がありません。JOCの『火事場のバカ力』に期待したいですが、このままでは、2年後の東京五輪までにはとても間に合わない」(前出の春日氏)