ある親方は「白鵬節全開ですね」と、苦笑いしてこう続ける。
「かつて、稀勢の里は最大のライバルだった。稀勢が大ケガを負ったのは昨年3月場所。その直前まで白鵬は稀勢に3連敗を喫していた。当時は、まるで白鵬の時代は終わったかのように言われていましたからね。それがいまや、立場は再逆転。今場所13日目の対戦では、相手に何もさせずに勝った。今の白鵬にすれば、稀勢の里は恐るるに足らず。褒め殺しは格下と見下してのことでしょう」
今場所は御嶽海の大関とりも失敗に終わり、自分を脅かす存在は当面、出てこないことを確認できたモンゴル人横綱。余裕しゃくしゃくで和製横綱を称賛するわけだ。