巨人のお寒い三軍事情 金満でも“ソフト甲斐”が育たぬ理由
甲斐の他にも、同期で育成4位で入団した千賀、13年同1位の石川、助っ人のモイネロらが主力に成長。今シリーズでも存在感を見せた。甲斐はこう話している。
「三軍制度があることで、試合に出る機会がもらえる。実戦感覚を常に養えるし、アピールする機会になる。ボクらはアピールしてナンボなので、三軍の存在は大きいですね。長い目で見て育ててくれる環境も他の球団にはないところだと思う」
■由伸政権低迷の元凶にも
一方の巨人も一時は育成出身の山口鉄、松本哲が台頭。「育成の巨人」をウリにしていた時期があった。が、旗振り役の清武球団代表と第2次政権中の原監督が衝突。11年に同代表が去ってからは、再び補強優先に回帰していった。若手が育たず、これが16年から始まった高橋由伸政権3年間の低迷につながったとされる。
巨人にも三軍はある。16年に「育成強化」を目的として創設。球界ナンバーワンといわれる選手層を誇る2年連続日本一のソフトバンクに倣ったものだったが、主に二軍が使用するジャイアンツ球場は手狭。三軍が練習を行うスペースは限られた。今年は町田市と提携し、練習場所は確保したものの、決して恵まれた環境ではない。