エ軍が大谷の復帰に慎重姿勢 あの日本人投手が反面教師に
右肘靱帯のトミー・ジョン(TJ)手術からの復活を目指すエンゼルス・大谷翔平(24)の経過が良好だ。
大谷は新人王を受賞した12日(日本時間13日)の電話会見で、患部の状態について「リハビリに関しては毎日、順調に続けているんじゃないかと思います。良い方向に進んでいると思う」と明るい表情で話した。
TJ手術を受けた場合、復帰までに要する期間は投手なら1年半、打者なら半年程度。大谷は今季終了後の10月2日にメスを入れており、5月上旬には打席に立てる計算だ。
球団はしかし、大谷の復帰時期について明らかにしておらず、リハビリスケジュールに関してもエプラーGMは「医師と相談しながら決めていく」と明言はしていない。「最終的に目指す二刀流復帰に支障があってはならない」と、慎重な姿勢を崩さないのは、同じ日本人投手を反面教師にしているからだという。
「日本人投手」とは、大谷と同じ右肘のTJ手術を受けた松坂大輔(38=現中日)のことだ。レッドソックス時代の2011年6月にメスを入れた松坂は、翌12年の6月にメジャーに復帰した。わずか1年でマウンドに戻ったが、その後は相次ぐ故障に見舞われたこともあって精彩を欠き、12年以降の3年間は7勝(13敗)に終わった。TJ手術を受けた投手の多くは球威は増すが、松坂はメジャー1年目に93・2マイル(150キロ)だった平均球速が、メッツでプレーした最終年の14年には91・8マイル(147キロ)まで落ちた。