GM市場に異状アリ 宿敵からの横滑りや代理人からの転身も
メジャーリーグでは今季成績が振るわなかったジャイアンツ、メッツ、オリオールズのGMがクビになり、その後任選びが行われた。3球団のうち、オリオールズはアストロズのGM補佐マイク・イライアスをGMに据えるという無難な選択をしたが、ジャイアンツとメッツは奇策に出て、これまでの常識では考えられない人物を選んだ。
ジャイアンツが事実上のGMである編成責任者に選んだのは、同地区のライバル球団・ドジャースのザイディGMである。メジャーリーグでは選手がライバルチームに移ることは日常茶飯事だが、球団の企業秘密を知る立場にあるGMが移ったケースはほとんどない。
ジャイアンツは、セイバーメトリクスに精通した分析力の高い人材を欲していたので、ザイディを選んだと説明している。
しかし、最近はGMやGM補佐の多くがアイビーリーグや西海岸の名門大出身者になり、高い分析力を誇る人材はゴロゴロいる。わざわざライバル球団から引き抜く必要はないのだ。それをあえて敢行したのは、ジャイアンツとドジャースの力の差が容易には縮まらないレベルに拡大しているためで、ドジャースの弱点を最もよく知る人間を連れてきて戦略を立てないと、太刀打ちできないと考えたのかもしれない。