著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

GM市場に異状アリ 宿敵からの横滑りや代理人からの転身も

公開日: 更新日:

 メジャーリーグでは今季成績が振るわなかったジャイアンツ、メッツ、オリオールズのGMがクビになり、その後任選びが行われた。3球団のうち、オリオールズはアストロズのGM補佐マイク・イライアスをGMに据えるという無難な選択をしたが、ジャイアンツとメッツは奇策に出て、これまでの常識では考えられない人物を選んだ。

 ジャイアンツが事実上のGMである編成責任者に選んだのは、同地区のライバル球団・ドジャースのザイディGMである。メジャーリーグでは選手がライバルチームに移ることは日常茶飯事だが、球団の企業秘密を知る立場にあるGMが移ったケースはほとんどない。

 ジャイアンツは、セイバーメトリクスに精通した分析力の高い人材を欲していたので、ザイディを選んだと説明している。

 しかし、最近はGMやGM補佐の多くがアイビーリーグや西海岸の名門大出身者になり、高い分析力を誇る人材はゴロゴロいる。わざわざライバル球団から引き抜く必要はないのだ。それをあえて敢行したのは、ジャイアンツとドジャースの力の差が容易には縮まらないレベルに拡大しているためで、ドジャースの弱点を最もよく知る人間を連れてきて戦略を立てないと、太刀打ちできないと考えたのかもしれない。

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