著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

GM市場に異状アリ 宿敵からの横滑りや代理人からの転身も

公開日: 更新日:

 メッツが新GMに選んだのは、エージェント業界の大物ブロディー・バンワゲネンだった。CAA社野球部門共同責任者の肩書を持ち、デグロム、シンダーガード、セスペデスの代理人を務めている人物だ。過去にはロビンソン・カノーがマリナーズと交わした10年2億4000万ドル(約272億円)の契約を手掛けた実績もある。

 ただ、いくら大物代理人でも、代理人業を継続しながらGMになることは、本来あり得ないことだ。代理人は年俸を吊り上げるのが仕事、一方、GMは年俸を値切るのが仕事なので、代理人をGMにするとチェック機能が働かなくなる。

 代理人をGMにすれば、自分のクライアントをえこひいきする問題も出てくる。これは現実に起きている。バンワゲネンがGMになって最初に敢行した大型トレードは「ジェイ・ブルース+アンソニー・スウォーザク+マイナーの有望株3人」をマリナーズに放出してカノーとクローザーのエドウィン・ディアスを受け取るトレードだった。カノーはバンワゲネンの一番の顧客だが、シアトルは居心地がよくないようでニューヨークに帰りたがっていた。その気持ちを酌んでバンワゲネンがメッツに引き取ったのだろう。

 バンワゲネンはカノーの総額272億円の契約をまとめているので彼の手数料は約13億円。こんないい客を大事にしないはずがない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も