ブッシュ元大統領が生涯大切にしたベーブ・ルースとの1枚
1989年から93年まで米国第41代大統領を務めたジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュが94歳で死去した。
「手堅いが面白みに欠ける」「よい副大統領だが大統領には向かない」といった世間の冷淡なまなざしに耐えつつ、東西冷戦の終結や湾岸戦争など世界史上の画期をなす出来事に取り組んだ姿勢は時が経つにつれて「党派の垣根を越えられた政治家」「ゆるぎない信念を持った大統領」といった評価をもたらした。
上院議員の父を持ち、全米屈指の名門エール大学への進学が決まりながら、海軍に志願して航空部隊に配属され、2度の撃墜を経験した第2次世界大戦の英雄でもあったブッシュが、米国の頂点である大統領になるのは当然のことのように思われるかもしれない。
だが、コネティカット州から選出された父にならって、テキサス州から連邦上院議会選挙に出馬したものの地縁がなかったため、対立陣営から「金で議席を買おうとしている」と非難されて2度にわたって落選。連邦下院議員を2期務めたことが示すように、政治家としての道のりは平坦ではなかった。