これから試練…16歳・紀平梨花を待つ体重管理と身体の変化
■浅田真央も同じ道をたどる
一方で、ロシア選手よりも大きな敵となりそうなのが、身体の壁だ。
例えば平昌五輪金のザギトワ(16)は五輪から半年あまりで身長が7センチも成長(約158センチ)。平昌で滑った坂本花織(18)は16年から2年間で体重が約6キロ増加した(約49キロ)。真央も05年から5年間で身長は約5センチ、体重は約5キロも増えた(約50キロ)。紀平もこれから胸や腰回りが大きくなり、体重管理にも悩まされるはずだ。
フィジカルトレーナーの平山昌弘氏によれば、今の紀平は理にかなった滑りを見せているという。
「ジャンプが膝から足首にかけて真っすぐ(氷上に)入るので、股関節の入りも良くなり、深く安定した着氷ができる。ジュニアからシニアへ移行した頃の真央さんに似ている。氷上の場合、パワーそのものではなく氷上の床反力をいかに効率的にバランス良く使えるかが重要。紀平選手は筋力で氷を蹴るのではなく、力をうまく氷に“乗せる”ことができている」
だが、紀平が「金」を狙う22年の北京五輪まで、あと3年以上もある。