浅村と西逃すも…ソフトバンクFA惨敗がプラス作用する理由
これでいいのだ――そう思える日は必ずやってくる。
「金満球団」と言われながらも、今オフの補強で失敗続きなのがソフトバンク。獲得を目指していたFA選手の浅村(楽天)、西(阪神)には逃げられ、現在、補強はゼロだ。
優勝旅行先のハワイで工藤監督が「(中継ぎの)スアレスは先発もできる。本人にも、そのつもりで調整してくれ、と伝えた」と配置転換を明かしたのも、西を逃したことと無関係ではないはずだ。
しかし、この球団にとって補強失敗は必ずしもマイナスにはならない。ソフトバンクは主力選手の高齢化が問題になっている。中でも野手は顕著で、内川(36)、松田宣(35)、デスパイネ(32)、中村晃(29)らの他に、頼れる控えの川島も35歳だ。
若手が育ってないわけではない。今季、57試合で二塁を守った牧原(26)は規定打席には到達していないながらも打率3割をマーク。引退した本多の後釜として期待されている。同じ二塁手の浅村を獲得していれば、当然出番は減ることになった。
投手も一軍枠争奪戦が激化しているからこそ、石川(26)、高橋礼(23)らがチャンスを掴んだ。
今季はベテラン勢にケガ人が続出し、V逸。結果として若手の成長を促すことになれば、「負け戦」も意味があるというものだ。