マラソンが日本のお家芸になったのは戦後の復興期である。日本陸連ではなく、金栗が組織した日本マラソン連盟がボストンマラソンに挑み、田中茂樹、山田敬蔵、浜村秀雄が優勝、さらに、いまの福岡国際マラソン、びわ湖毎日マラソンなどを立ち上げ、寺沢徹、君原健二、佐々木精一郎、中尾隆行らが土台を固め、やがて、宗兄弟や瀬古利彦、中山竹通たちが走った。
いまや世界中でマラソンが隆盛している。日本がそれを先駆けることができたのは、金栗四三が後ろ指をさされながら、必死に普及した結果なのだ。大河ドラマは面白ければいいが、先人の苦労も少しは知っておきたい。