大坂と錦織が活躍する今こそ協会には身を切る改革が必要だ
テニスシーズンの幕開けを告げる全豪オープンは、大坂なおみとノバク・ジョコビッチの優勝で盛り上がった。大坂は昨年の全米に続いてのメジャー連覇。21歳への期待は膨らむばかりだが、ジョコビッチは全豪7度目の優勝スピーチで、こう話していた。
「テニスは個人競技だが、チームの協力なしに成功はない。みんなの仕事に心から感謝している」
大坂の成功はコーチのサーシャ・バインの手柄とされるが、彼単独の話ではない。辣腕マネジャーのスチュアート・ドゥグッドが練る戦略下、バインと同じくセレナ軍団から抜擢したフィジカルトレーナー、アブドゥル・シラーとのコラボが機能している。シラーはNFL経験もある肉体改造のプロだ。
卑近な例だが、箱根駅伝で急成長を遂げた青山学院大学を思い出す。青学大の原晋監督は、プロのフィジカルトレーナーとの分業、いわばコングロマリット体制を敷いた。これすなわち“プロ化”で、親方日の丸の伝統からは生まれない発想だ。
■二重国籍が大坂の強化をスムーズに