6億円FAが補欠かも…巨人炭谷の正捕手を阻む小林の“鬼肩”
■「打撃力が弱い? もちろんです!」
キャンプを取材した評論家の山崎裕之氏もこう言う。
「原監督と話をすると、『正捕手は競争』とは言っていた。しかし、その口ぶりからは、小林を正捕手の最右翼に考えていると感じました。炭谷を西武でのデビュー時代から見ていますが、リードに関して私はあまり評価できない。外角中心の安全型で、打者から見て嫌らしさがないのです。打撃力や衰えの目立つ肩を考えても、3番手扱いだった昨年の西武と同様、巨人でも小林のサブになるのではないか。それなら、炭谷の経験を生かせると思います」
こうなると、生え抜き左腕の内海哲也を流出させてまで、炭谷をFAで取る必要があったのかということになるが、炭谷は7日のシート打撃でも2打数無安打。小林も4タコ2三振とサッパリだったが、だからといって炭谷の評価が上がるわけではもちろんない。
前出の他球団スコアラーはこうも言った。
「4年ぶりに捕手に復帰する阿部慎之助(39)は年齢とブランクからいっても、シーズンを通じてマスクをかぶるということは考えられない。衰え知らずの打撃を生かすなら、代打の切り札でしょう。それで、試合終盤にマスクをかぶる。正捕手はないでしょうが、ベンチ入りは確定していると見ていい。一方で、3日の紅白戦で左翼フェンス直撃の二塁打を含む2安打を放った2年目の大城(卓三=25)の打撃が素晴らしかった。あの打撃力を生かさないのはもったいない。二軍でキャンプを送っていますが、うちの編成は『使わないなら欲しい』と言っていますよ。打撃なら4年目の宇佐見(真吾=25)もいい。2人の状態次第では炭谷が二軍ということもあるかもしれません」
第2クールに入ったこの日の練習後、炭谷に聞くと、「巨人と西武の違いは、特にないんじゃないですか。原監督に指導された打撃力が弱い? もちろんです! とにかく頑張ります」と意気込んだが、巨人の水は甘くはなさそうだ。