中日・根尾育てる荒木コーチ 現役生活23年間の答え合わせ
さる3日、1日限りの現役復帰を終えた。
引退試合となったロッテとのオープン戦。中日の荒木雅博(41)はプロ入り以来、最初で最後となる「DH」で出場した。二塁での出場は「(選手の)邪魔をしたくない」と固辞したが、春季キャンプでは選手に交ざって練習する場面も。ドラフト1位の新人、根尾昂が受けるノックに飛び入り参加し、「3月3日があるから」とキレのいい動きを見せた後、笑顔でこう言った。
「今の目標は開幕までにもう一度(選手として)契約してもらって、7月までに支配下を勝ち取ることだね」
職場は二軍。昨季まで選手兼任だったコーチ職は専任になった。「会話はいっぱいしていきたい」と言うように、キャンプでは練習の合間の移動中も選手との貴重なコミュニケーションの場に活用。話す相手は選手だけではない。練習が終わるとコーチのほとんどが車で宿舎へ帰る中、英智外野守備走塁コーチと歩きながら2人だけのミーティングを行っていた。
■成功より失敗を教える
「今のところ、(コーチとして)持っているのは自分の経験に基づくものだけ。でも、オレと同じことをやっても選手はうまくなるわけじゃないから、そこは人に(指導法を)聞いたり話したりもするんだけど、『こうやればうまくいく』じゃなく『これはやらない方がいい』という成功より失敗を教えてあげたい。ミスは何度もするもの。だけど、その回数が減るようにできれば。オレが教わってきたことを(ものにするまで)自分が3年かかったんだとしたら、選手にはそれを噛み砕いてなんとか2年で分かるようにしてあげたい」