速球最速138km 日ハム斎藤佑がアスレチックスを抑えた裏側
メルビン監督はもちろん斎藤を認識していなかったが、「タナカのライバルだったのか。それにしても、なんてタフな選手なんだ」と目を丸くし、「ただ、2日連続で24イニングを一人で投げるとは、とんでもないこと。こちらではそういう起用はあり得ない。先発は6イニング、100球を投げたら交代させるからね」と話した。
米国では肩、肘は消耗品との考え方が徹底している。この日、6番二塁でスタメン出場したプロファー(26)も「本当なのか?」とビックリしていた。
メジャー史上最多盗塁記録(1406盗塁)を持つ「レジェンド」のリッキー・ヘンダーソン球団社長特別補佐も同様に驚きの表情を見せ、「高校時代にそんなに球数を投げていたとは信じられない。『相手の先発投手は非常にタフだ』と、ウチの関係者にも伝えておくよ」と話した。
斎藤がヤンキースで5年連続2ケタ勝利の田中に投げ勝ち、なおかつタフな投手であることはおそらく、アスレチックスナインに伝わっていたはずだ。
試合後、主力のチャップマン(25)は斎藤も含めた日ハムの投手陣について「打つことが難しかった。いろいろ球種があり、見たことのない投球スタイルで体勢、タイミングを崩された。2試合で8回出塁できたのはラッキーだった」と言った。アスレチックスナインが、斎藤の“138キロの速球”に面食らって「タイミングを崩された」のは想像に難くない。