日ハム輝星に早期一軍先発の目 新戦術オープナーが後押し
「吉田輝は実戦で最長3イニングしか投げていない。二軍で実戦を重ねながら、まずは4イニング、5イニングを投げられるようにしたい、というのが球団の方針です。球団も無理をさせることはないでしょう。ただ吉田輝は現時点で、本来の高卒新人選手がやるべき体づくりの面では、一軍に送り出せるレベルに達している。これが5月、6月に一軍デビューできる根拠の一つにもなっています。今の二軍は育成に時間がかかる投手が少なくない。吉田輝と同じく評価が高いドラフト5位の柿木は、早期一軍が期待されていたが、このところ疲労がたまってきているそうです。実力的にも吉田輝が一軍により近い存在であるのは間違いありません」
■ショートイニングなら
さらに別のOBがこう指摘する。
「一軍の先発投手として一本立ちするには、技術的にもスタミナ的にもまだ課題があるのは事実です。しかし、オープナーなら話は違ってくる。一軍ローテの定着はまだまだ先としても、二軍で3イニング、4イニング程度を一定の間隔で投げられるようになれば、一軍でも『オープナー』はできます。吉田輝は3日の巨人戦で速球だけでなく、変化球でも空振り三振を奪っている。変化球の精度に改善の余地はあっても、マウンドさばきがよく、打者との駆け引きができる。速球が時折“真っスラ”するなど球筋も独特で、初見の打者は捉えづらいと思います。相手打者の1~2巡目までであったり、打者の目が慣れるまでのショートイニングであれば、吉田輝も力を発揮しやすいでしょう」
チームの新戦術が吉田輝の一軍デビューを前倒しさせる可能性はある。