強豪校監督に聞いた 高校野球の球数制限「賛成?反対?」
「ウチはまだ投手の人数がいる方だが、公立は部員数が少ないところもあります。記録のために野球をやっているわけではないが、昨夏の金足農のような学校は出てこないし、ノーヒットノーランや完全試合という記録もなくなる。球数制限よりも日程間隔を空けた方がいいと思う。間隔を空ければ、負担は減るはずです」
公立校は部員数が少ないところが多く、反対の割合が大きいようだ。
■プロの開幕投手は全員軟式
一方、少数派となった賛成の声はどうか。
毎日新聞のアンケートで、32校の監督で唯一、「将来的に全ての公式戦で球数制限を導入すべき」と答えたのは、広陵の中井哲之監督(56)。本紙の取材に「すぐに全てが変わるとも、答えが出るとも思っていないが……」と前置きした上で、こう続けた。
「子供のための野球と言い切るなら、小、中の野球界も一緒に考えていきましょう、という思いもある。今の子供たちはあまり体が強くない。硬式の重たいボールで長いイニングを投げ、高校へ入る前に、肩肘を痛めている子もいる。(勝利至上主義に警鐘を鳴らした)DeNAの筒香選手も問題提起しましたよね。さらに観客のことも考えると、特に夏の暑い中で長時間観戦するのは難しい。地方の球場はなおさらです。観客を含めて盛り上がるのが高校野球。将来的には球数制限、イニング制限はやるべき。僕自身は『7回制』もありだと考えている。今年のプロ野球の開幕投手は全員が軟式出身と聞いた。昔とは違う。プロの世界で子供に夢を与えるべき選手がずっと故障することなくやっていますか?」