ファンの傘をさし談笑 日本ハム西川“雨中の神対応”の価値
先日、日本ハムの西川遥輝がソフトバンクとの試合中に一風変わったファンサービスを行ったとして話題になった。相手チームの選手が自打球の治療を受けて試合が一時中断されている間、センターを守っていた西川が外野席の観客から借りた傘をさして、周辺のファンたちと柵越しに談笑しつつ、写真撮影にも気軽に応じるなど、まさに神対応を見せたのだ。
プロ野球の試合中断時のファンサービスといえば、ひと昔前は雨天時のベースランニングが定番だった。このパフォーマンスを好んで披露した選手としては、1990年代に同じく日本ハムの主砲として活躍したマット・ウィンタースや、千葉ロッテの俊足外野手として人気者だった諸積兼司などが思い浮かぶ。また、試合中断時に限らなければ新庄剛志による多様なパフォーマンスも記憶に新しい。彼らに共通しているのは、プロ野球選手といえども、時にはファンを楽しませるための“芸”に近いものを披露していた点だろう。
このプロ野球選手の芸というものが、極めて個人的な感覚で申し訳ないのだが、私は子供のころから苦手だった。雨に濡れながらのベースランニングに面白味をまったく見いだせなかったというのもあるが、それよりなによりプロ野球選手は芸人ではないのだから、そういうパフォーマンスの類いに関しては言わば素人芸を見せられている感覚になってしまう。明るくてひょうきんな性格の宴会部長みたいな素人男性が、なんらかの変装をして目立つことをやる。そういうノリがどうしても自分に合わなかった。