大船渡・佐々木“12回194球”完投勝利も 日米スカウトは複雑

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 しかし、そんな佐々木の激投に複雑な心境だったのは、早朝から席取りに奔走した日米球団のスカウトだ。

■球数制限反対派に勢い

 日本ハムが今秋ドラフトでの1位指名を公言している右腕は、多くの球団が1位指名を検討。この日は、巨人阪神など日米8球団のスカウトが視察に訪れた。さるパ球団のスカウトは「194球は明らかに投げすぎです」と、こう言った。

「佐々木の甲子園への強い思いは理解はしている。ただ、今年の最多投球数は6月2日の佐久長聖戦での149球。大船渡は医師からの『大人の体になり切っていない』との診断を受け、佐々木の肩肘に負担がかからないように、大事に育ててきた。佐々木くん自身も、球数や投球強度を抑え、制球重視で打ち取る術を身に付けようとしていました。が、負ければ終わりの3年夏の大会で大接戦になれば、いくら佐々木の将来を大事にしている国保監督とて、マウンドから降ろすことはできません。仮に降板させようとしたところで、佐々木自身が納得しませんよ。目いっぱいの力でこれほどまでの球数を投げたことで、肩肘への負担や反動が心配です」

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