霞ケ浦の監督を直撃 プロ輩出の秘密とOB綾部にかけた言葉
――野球部員はクラスの委員長、副委員長をやっているそうですね。
「野球部員は1学年当たり20~30人。1学年15クラスに2~3人の部員を配置しています。就任当初はやんちゃな子が多く、そういった活動も通して、彼らの気持ちの部分を変えられればと。今は強制はしていませんが、自然とその流れになっています。担任の先生を手助けしたり、人の上に立ったりする難しさが分かるのではないかと」
――野球以外の部分が大事だと。
「周りの足を引っ張るようなことはダメです。学校生活への慣れが必要な1年生を除き、試験で追試になった子は、メンバーには入れません。授業態度が悪いとか、私生活がきちんとできていない子は、プレーにも表れがちです。たとえレギュラーであっても公式戦で使わないこともあります」
■バレーの卒業生は鬼のようだと(笑い)
――19年間バレーボール部に携わり、全国大会にも導いた。
「赴任当時は日体大の先輩が監督、コーチを務めていました。(自分は)バレーボールの経験がないので、技術指導はできない。部員には、まずは練習に来て笑いながらやれ、声を出せ、挨拶しろというように気持ちの部分を教えようと。時に吹っ飛ばしたこともありましたが、就任5年目に関東大会への出場が決まった時は、みんなで抱き合って涙を流しました。彼らとは、今も1年に2回は必ず飲み会をやる。人間としてやるべきことがちゃんとできてくると、県のベスト8レベルには行けるという感じはある。指導者としての原点です。バレーの卒業生はみんな、鬼のようだと思っているでしょうね(笑い)」