この夏は“凶作”も…星稜・奥川と津田学園・前の評価急上昇
吉田輝星のようなイメージ
初戦の静岡戦で11三振を奪った前の評価もうなぎ上りだ。
「体重移動がスムーズだし、バランスのよいフォームで投げています。ストレートの最速は144~145キロ、平均すると140キロ前後ですが、フォームと素材がよいので、鍛え方次第で球速は5、6キロアップする可能性があります。先が非常に楽しみな投手だけに、ドラフト3位以内で指名されるかもしれません」とは前出の山田スカウト顧問。
オリックスの由田スカウトは、「ストレートは角度があって、ベース上で伸びているように見える。昨年の吉田輝星(現日本ハム)のようなイメージがあります」と話す。
冒頭のスカウトによれば、大会前の時点での評価は「ドラフト下位指名クラス」だったとか。それが「3位以内」や「吉田輝星」クラスならこちらも夏の大会でプロの評価を上げたクチだ。
■足と肩が平凡
しかし、奥川と前以外の評価となると芳しくない。
「奥川の女房役の山瀬慎之助(星稜)は強肩強打の上位指名候補という触れ込みだったけど、打つ方がセンバツ時より悪くなっている。同じく捕手の智弁和歌山の東妻純平と中京学院大中京の藤田健斗、遊撃では八戸学院光星の武岡龍世と花咲徳栄の韮沢雄也らもチェックすべき野手。けれども、まとまってはいるが、足や肩で目を見張るようなものがなかった。投手で霞ケ浦の鈴木寛人、花巻東の西舘勇陽、筑陽学園の西舘昂汰、智弁和歌山の池田陽佑らも含めてドラフトされるとしても5位以下の下位指名でしょう」
とは冒頭の在京球団スカウト。「リストに載った選手は他に何人かいるけど、大学に進学するのも何人かいると聞いています。大学で芽が出るようならそれから指名しても遅くないし、進学をわざわざひっくり返してまでプロに引っ張りたいような選手はほとんどいない」と言う。