スポーツ界相次ぐ醜聞 崩れ始めた「クリーン・ジャパン」
それにしても、オリンピックを来夏に控えているのに、日本のスポーツ界には、疑問を持たざるを得ない事件、報道が絶えない。
早大スポーツCSR研究会の松野弘会長が言う。
「日本の悪しき体質が残っているからです。プロ野球と大相撲の暴力事件はその典型です。あれは国内に蔓延する軍隊的アマチュアリズムが原因です。自分が上と思っている者が下の者を殴ることが許される、と勘違いしている。事件が公になると、裁判ではなく、グレーな形で収める。人を殴って厳重注意だけで終わらせるのは、いかにも日本らしい。プロ野球の監督と選手は、球団と契約している個人事業主。対等な立場です。緒方監督はそんなことも分かっていない。『国民的スポーツ』といわれるプロ野球でさえ、コンプライアンス体制が確立されていない。アマチュア競技がどんどんプロ化されてはいるが、スポーツ後進国ということです」
前出の津田氏は、「いわゆるモリカケ問題を見ても、政治家や官僚が責任をあいまいにして、結局逃げてしまった。国のあり方がスポーツ界にも悪影響を及ぼしているのではないか」と言う。
オリンピックがあっても、なくても、この国のスポーツ界は何も変わらない。否、むしろ悪い方向へ向かっている。