著者のコラム一覧
永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に近著に「明治大学ラグビー部 勇者の100年」(二見書房)などがある。

今夜の南アフリカ戦で現HCジェイミー流の真価を問われる

公開日: 更新日:

 2012年4月に日本代表HC(ヘッドコーチ)に就任したエディー・ジョーンズのモットーは「選手をハッピーにしない」だ。

 高い目標を設定して、「ハードワーク」を課す。言動も、威圧的で攻撃的だ。これでは「ハッピー」になりようがないが、それでも選手たちが過酷なトレーニングや容赦ない叱責に耐えたのは、「W杯で勝って日本ラグビーの歴史を変えたい」という思いがあったからだ。

 そんな緊張感が高まっていた15年の宮崎合宿で事件が持ち上がる。

 16年から日本代表を母体にしたチームを、世界最高峰のスーパーラグビーに参戦させる道筋をエディーがつけ、合宿中の選手たちにその場で契約書にサインするよう要求したのだ。

 ところが示された契約書では、スーパーラグビー参戦時に負傷した場合の補償などに関する部分が抜けていて、選手たちはサインを保留した。

 これがきっかけとなって、8月にエディーはW杯後にHCを辞めると表明する。

 エディーは目標を設定すると、達成するための道筋を徹底的に逆算するコーチだ。19年に日本で開催されるW杯で結果を残すことを考えれば、スーパーラグビー参戦はマストの強化策。ところが物事がイメージしたスピードで進まず、選手たちも、新チームに参加するかどうかわからない。そんな事態に業を煮やしての辞任劇だった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇