20日開幕ラグビーW杯 日本の1次リーグ対戦国のスゴいヤツ
D・テイラー(スコットランド・CTB)
度重なる故障を乗り越え、2年ぶりに代表ジャージーに袖を通した。
8月17日のフランス戦で、2017年7月のフィジー戦以来のテストマッチ出場を果たすと、随所に的確なパスを供給。グレガー・タウンゼントHCの最終試験をクリアしてスコッド入りを勝ち取った。
13年の南アフリカ遠征で初キャップを獲得。CTB以外にもWTB、FBもこなせる大型BK(189センチ)として期待されながら、その後は相次ぐ故障に見舞われた。日本とのテストマッチで来日した16年6月には、初戦(豊田スタジアム)で右足内転筋を痛めて途中交代。2戦目はスタンドからの観戦を余儀なくされた。翌年は所属する英サラセンズの開幕戦で左足首を痛めて2カ月間の離脱を強いられた。復帰戦で再び、同じ箇所を痛めて手術を受けると、17年は内転筋や右肩を故障した他、脳振とうも起こしてシーズンを棒に振った。故障が付きもののラガーマンとはいえ、ここまでケガに泣かされる選手も珍しい。
昨年1月には再び、脳振とうを起こし、一時は引退も覚悟したという。
地元メディアの取材にダンカンはこう振り返っている。
「脳振とうの後遺症から、毎日、頭痛や視覚障害に悩まされた。気晴らしにテレビやスマホを見ても、集中できなかった」
10月13日の日本戦(横浜)では、不完全燃焼に終わった16年の憂さを晴らすことができるか。