大番狂わせの舞台裏 日本代表が証明した「失われた3年間」
ロシア戦よりキックが減りパスが増える
そんな窮地を救ったのが、前回大会を経験した選手たちだった。
キャプテンのリーチマイケルはHCとの“ケンカ”も辞さずに意見を言い、堀江翔太やトンプソン・ルークは、常にピンチで体を張ってチームを支えてきた。
極めつきは、当初は「サイズを重視する」HCの方針でメンバー外だった福岡堅樹が、先発予定だったウィリアム・トゥポウのケガで急きょ控えに入り、後半に出場するや、逆転トライを決めたことだ。
開幕戦で3トライを挙げた松島幸太朗も前回大会の経験者。W杯の大舞台で結果を残したのは、HCではなく、何度も修羅場をくぐった選手たちだったのだ。
ちなみに、この試合で日本がキックを蹴った回数は22回。ロシア戦の36回を大きく下回る。代わりにパスはロシア戦よりも多く、ボールを簡単に手放さなかった。
つまり、HCが提唱した「キッキングラグビー」ではないスタイルで、日本は輝かしい勝利を挙げたのである。
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